レンズに洗浄液、洗静保存液、消毒液がついている、目が乾燥している、フイッティング不良(スティーブフィッティングで、レンズが角膜を圧迫している)、角膜障害(点状表層角膜症、角膜上皮、角膜浸潤、角膜潰痩)などが考えられます。
は−によって起こることもあります。
ハードコンタクトレンズはケースから取り出したあと、水道水でよくすすいで洗浄保存液を洗い流してから装用しないと、目にしみることがあります。
ソフトコンタクトレンズを装用し、過酸化水素消毒をしている人は、きちんと中和してから装用しないと、過酸化水素が目にしみて、充血、流涙などの刺激症状が現れるだけでなく、角膜障害や結膜障害を起こします。
中和後もしみる場合は、再度、中和剤ですすいでから装用してください。
目の乾燥については、〈目が乾く〉の項で説明したとおりです。
スティーブフイツティングによる灼熱感はハードコンタクトレンズ装用者に多く見られます。
ハードコンタクトレンズでは、角膜に傷がついているとちょっとした刺激でしみたり、いろいろな症状が出現したりしますが、ソフトコンタクトレンズは症状を軽減し、自覚できないことが多いので、注意が必要です。
コンタクトレンズ障害の原因、自覚症状、治療と対策について、詳しく解説することにします。
なお、巻頭の口絵でコンタクトレンズ障害の写真を紹介しています。
点状表層角膜症角膜は上皮、実質、内皮から成り、上皮と実質はボウマン膜、実質と内皮はデスメ膜で仕切られています。
上皮層は表皮細胞、翼状細胞、基底細胞で構成されています。
いちばん下の基底細胞が分裂を繰り返し、分裂した細胞が上へと押し上がり、翼状細胞←表皮細胞と姿を変えていき、やがてはがれ落ちます。
このサイクルは約七日間です。
点状表層角膜症は上皮層の表皮細胞から翼状細胞にかけて、細胞が数個から数十個単位で脱落している障害、わかりやすくいえば角膜のごく浅い部分に生じた、小さな傷です。
多くの場合、コンタクトレンズを一晩はずしておくだけで治りますが、原因を取り除かないと再発します。
重症化すると傷が広く、深くなり、角膜上皮、角膜浸潤、角膜かいようへと進展する危険性があります。
ソフトコンタクトレンズに特有なもの、ハードコンタクトレンズに特有なものがあり、いろいろなパターンがあって、原因もさまざまです。
角膜表面全体に小さな傷がポツポツと発生します。
酸素透過性の悪いソフトコンタクトレンズを装用している人、汚れたソフトコンタクトレンズを装用している人、ソフトコンタクトレンズを連続装用をしている人に多く見られます。
多くは角膜の酸素不足です。
レンズが汚れると、レンズの酸素透過性が低下したり、角膜に酸素を供給する涙の流れが悪くなったりして、角膜が酸素不足に陥ります。
コンタクトレンズを装用すると、適切なレンズであっても、裸眼に比べて角膜への酸素供給量がへります。
連続装用をすると、角膜は長時間、酸素の少ない状態におかれて、酸素不足をきたしやすいのです。
レンズケア用品が原因のこともあります。
コールド消毒に使われている過酸化水素、洗浄に使われるレンズクリーナー、酵素クリーナー、あるいは各種レンズケア用品に含まれる防腐剤などが原因で起こることがあります。
軽い異物感を自覚することが多いのですが、まったく無症状の場合や、強い差明(まぶしさ)、目の痛みを伴うこともあります。
レンズケア用品が原因の場合、刺激症状としての異物感、痛み、充血、流涙などを伴うことが多く、角膜上皮、角膜浸潤を起こすこともあります。
コンタクトレンズの装用を中止し、細菌感染を起こさないように抗生物質の点眼薬を用います。
通常、傷は一晩−数日以内に治ります。
レンズが汚れている場合には洗浄方法を変更し、汚れを落とします。
汚れがひどく、落ちないような場合には新しいレンズに交換します。
連続装用の場合は終日装用に変更します。
レンズケア用品が原因の場合は、原因に応じた対応をします。
過酸化水素が原因なら、過酸化水素をきちんと中和したり、別の消毒方法に変更したりします。
クリーナーが原因なら、装着前にしっかりとクリーナーをすすいでから装用するようにします。
防腐剤が原因なら、原因となった防腐剤が含まれていないケア用品に変更します。
黒目(瞳孔領)の下のほうに生じる傷です。
黒目を顔に見立てると、傷の部分が口にあたり、しかも笑っているような形をしていることから、スマイルマークパターンと呼ばれています。
ソフトコンタクトレンズ装用者に見られます。
局所の乾燥が原因です。
高含水性ソフトコンタクトレンズを装用している人、ドライアイの人、瞬目不全(まばたきが不完全)の人、下三白眼(黒目が上方にかたより、左右のみならず、下方も白目になっている)の人に多く見られます。
高含水性ソフトコンタクトレンズは水分を多く吸収するので、目の表面が乾きやすくなるのです。
連続装用はレンズの汚れが蓄積し、レンズの乾燥が助長されます。
まばたきが不完全だと、涙の分布が悪く、目の表面が乾燥しやすくなります。
多くの場合、無症状ですが、夕方になると軽い乾燥感、異物感を自覚することもあります。
障害が軽い場合は、人工涙液(防腐剤を含まないもの)の頻回点限、ヒアルロン酸の点眼、連続装用の中止、クリーナーによるこすり洗い、装用時間の短縮を実施します。
通常、の治療のみで問題ありませんが、同じレンズを装用し続けると悪化し、角膜上皮、角膜浸潤、角膜潰療と進むことがあり、とても大切です。
レンズの汚れが目の乾燥につながっていると思われるときは、の実施により汚れを落とします。
終日装用の装用者の対策で、装用時聞をできるだけ短い時聞にします。
実施しても治らない場合、障害が中等度以上の場合は、コンタクトレンズの装用中止、コンタクトレンズの種類の変更が必要になります。
メガネ、は毎日使い捨てソフトコンタクトレンズ、低含水性の頻団交換ソフトコンタクトレンズ、または非合水性ソフトコンタクトレンズに変更します。
ステイニング時計に見立てて3時と9時の位置に発生する障害です。
ハードコンタクトレンズに特有の障害で、軽いものを含めるとハードコンタクトレンズ装用者の半数以上に見られます。
多くは角膜だけでなく、その外側の結膜(白目の部分)の障害を伴います。
近年、ガス透過性ハードコンタクトレンズの直径がやや大きくなったことから、3時〜9時に生じる障害の位置がより白目のほうに移動してきています。
障害の程度は五段階のグレードに分類され、グレード0が障害なし、1〜2が軽度、3が中等度、4は重度となります。
グレード3以上の障害が長く続くと、角膜白斑、角膜浸潤、角膜潰療につながります。
目の表面の局所の乾燥によって生じることと、レンズエッジ(レンズの端)による機械的なこすれ・圧迫によって生じることがあります。
局所の乾燥はレンズの汚れ、フラットなフイッティング、レンズの直径が大きすぎる、レンズエッジが厚い、ドライアイなどが原因となります。
レンズエッジによる機械的なこすれ・圧迫はよく下方固着(まばたきしてもレンズが角膜の下のほうにくっついて動かないこと)を伴います。
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